花輪和一の「刑務所の中」。入りたくないけど、ちょっと覗いてみたい人に。

私が最近読んだ本で、結構印象的だったものです。
作者の花輪和一さんが実際に刑務所に居たときのことを元に描かれた漫画です。

刑務所の中

花輪さんはモデルガンの改造のしすぎで銃刀法違反で逮捕されてしまい、刑務所で過ごすことになってしまったのですが、私が想像していた「刑務所の中」という、どん底のような重さはあまり感じなく、ある意味の暗さはあるのですが、微妙にコミカルに表現されている気がします。

すごく緻密な絵柄で塀の中の部屋や、ドアのないトイレから作業所まで細かく描かれていて、写真はもちろん、スケッチも持ち帰ることは禁止なので、これがそこに居た時の記憶だけを元に描いたのだと思うと、なんだか途方もない気持ちになります。

食事は3食あるのですが、甘いものを食べる機会がとにかく少なく、それを楽しみにするおじさん受刑者たち。
普段の生活で欲しいものが24時間いつでも手に入る私たちからは想像もできないことですよね。改めて日常のありがたみを感じることができます。

刑務所内でたまにあるパンの日に、コッペパンにマーガリンと小倉餡をはさんで食べたときに脳が溶けそうになるという表現、羨ましい。羨ましくないけど、羨ましいと思ってしまう(笑)

刑務所の中はこんなに酷いんだぞ!という主張のようなものはあまり感じず、ただ「そこで過ごした日々のこと」が描いてある中身です。

ですが印象的だったのが、もうすぐ外に出られる受刑者の一人が「外に出るのが怖い」というところ。
こういった思いが、もしかしたら再犯に走らせてしまうのかもしれませんね。